いのちの伝承

いのちの伝承

死んだ人々は、還ってこない以上、
生き残った人々は、何が判ればいい?
死んだ人々には、慨(なげ)く術もない以上、
生き残った人々は、誰のこと、何を、慨いたらいい?
死んだ人々は、もはや黙ってはいられぬ以上、
生き残った人々は沈黙を守るべきなのか?

      ………ジャン・タルジュー詩集「詩人の光栄」より

1955年8月(戦争が終わって10年目)、
浅間温泉「鷹の湯」の女将・鈴木千鶴子さんが

「ヒロシマでご縁ある人が亡くなっている。
 追悼の法要をしてほしい」

と神宮寺住職・高橋勇音(当時)に依頼したことから、
始まったのが「原爆忌」。
今年でちょうど60年(回)目となります。
また、1998年、「原爆の火」が神宮寺に
灯された年から始まった「いのちの伝承」は、
「原爆忌」を中に含みながら、
今年、16年(回)目を迎えます。

これらは「非戦」と「追悼」の
意味を持つ催しですが、
開催主旨は、このジャン・タルジューの
詩の中にあります。

あのとき死んでいった人々は、
あのときのことを語ってくれません。
もし、語ってくれれば、戦争は起きません。
あまりに悲惨だからです。

だから誰かが語り継いでいかなければならないのです。

真実を伝えること、判ること、
死者を悼むこと、黙っていないこと……
それが、いま必要です。

だから、神宮寺はねばり強く
「伝える」ことを実践します。

今年も「いのちの伝承」が始まります。

いのちの伝承2015~絶対平和を貫くために~ 
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